うどんはかつて、菓子屋で扱われてる時代がありました。
江戸時代の京都御所御用達商人を記した文書では、菓子商人とうどん・蕎麦・麺類各種を扱う商人が、同じカテゴリーに分類されてるといいます。その御所に菓子を収めていた虎屋には、うどんや蕎麦切の注文記録、出汁用の徳利が残っているといいます。理由は、よくわかりません。共に小麦粉を多様するため、仕入先が共通するとかの話かも知れませんが、とにかく昔は菓子とうどんが「似た者同士」と認識されてたわけです。
伊勢うどんといえば「茹でるのに1時間かかる」という、とんでもなく太くて柔らかい麺が有名です。が、実際に食べると出汁、いや濃度と粘度からタレとしか呼びようがないですが、とにかくその甘さに衝撃を受けます。餅のような麺に、甘いタレ。まるでみたらし団子です。近接してます。食事とおやつが入り混じってます。
うどん県・香川ではかつて、単なる袋うどんをおやつとして食べていたそうです。甘味も辛味もつけず、本当にそのままのうどんをおやつとして食べていたそうです。もはや、近接や混沌どころの話ではありません。
食事とおやつの境界線を溶解させ、独特の食のスタイルを誘引する、うどん。ひょっとすると昔の人たちは、その魔性のようなものにこそ着目して、うどんを菓子と分類したのかも知れません。
うどん – Wikipedia
伊勢うどん – Wikipedia
力餅食堂 – Wikipedia