東京・渋谷の國學院大學博物館で開催されている企画展「古文書で<つなぐ>江戸時代」。江戸時代を古文書から読み解いていく展覧会です。
天下泰平の世を迎えた江戸時代。戦乱の時代は終わり、人々は生活の安定を目指しはじめました。「徳川の平和」によって治められた江戸時代は、さまざまな階層の人々や地域が、文字を使った情報の伝達によってつながりあうことで、社会や文化は大きな発展を遂げました。つながることが新たな展開をもたらすのは、まるで現代のインターネットみたい。
当時の支配・役職・生活・文化など、多様な場面で人や物をつないだものが「古文書」。この展覧会では、武家・公家・民衆それぞれの社会の中、またそれぞれの社会間をつないだ、江戸時代の古文書を展示します。
同展のみどころは古文書に残された江戸時代の著名人「徳川家康」「吉良上野介」「大岡越前」や、土地の領有権などを訴訟期間が明らかにした「裁許絵図」など。また赤穂事件や徳川家康の息子たちについての古文書のつながりから江戸時代を考えていきます。
古文書というと、素人には読み難い筆文字が連なるもの、というイメージがありますが、意外にも、絵がふんだんに取り入れられていることも大きな特徴の一つ。習慣や環境などが異なる人々のコミュニケーションには視覚的に訴えるのが効果的なのは、今も昔も変わらないようです。古文書は江戸時代のインフォグラフィックのような意味合いもあったかもしれません。
多様な古文書を間近に鑑賞できるまたとない機会をお見逃しなく。
「古文書で〈つなぐ〉江戸時代」
会期:2016年6月17日(金)~7月16日(土)
開館時間:午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
会場:國學院大學博物館 企画展示室
入館料:無料