北海道・館崎遺跡の縄文前期〜中期の地層から出土した矢尻を調査した結果、なんと長野県・霧ケ峰周辺の黒曜石(黒曜石とは火山岩の一種)で作られたものであることがわかったそうです。
北海道で本州の黒曜石を使った矢尻が出土したのは今回が初めて。これまで霧ケ峰産の最も遠い出土は青森市・三内丸山遺跡だったそうで、今回の発見で初めて海を越えたことになります。
福島町の館崎遺跡から長崎県・霧ケ峰までは直線距離で言っても620kmほどあります。これは縄文人が620km先の目標物に向けて矢を射る技術があった…というわけではなく、縄文人が本州と北海道とで海を越えて交流をしていたことが確認されたということ。
この矢尻は北海道新幹線建設に伴う発掘調査で2009年に出土したもので、石に透明感があり逆V字形だったため成分を分析した結果、霧ケ峰産と判明したそうです。
現在のような交通手段がないのにも関わらず620キロもの距離を移動していたということに驚き。さらに海まで超えてしまうなんて、縄文人のエネルギッシュさに脱帽です。