日本の国宝には四大絵巻物と称される絵巻物があります。源氏物語を題材にした「源氏物語絵巻」、ウサギやカエルがユーモアたっぷりに描かれた「鳥獣人物戯画」、応天門の変を題材にした「伴大納言絵詞」。
そして現在公開されているのが「信貴山縁起絵巻(しぎさんえんぎえまき)」という、平安時代末期に製作されたとみられている三巻からなる絵巻物です。絵巻物に描かれている内容は、信貴山を再興した修行僧 命蓮 (みょうれん) に関するお話。
信貴山縁起絵巻はその作風から、鳥獣人物戯画とともに漫画のルーツとも言われている絵巻。とにかく鳥獣人物戯画と同様に描かれている人物(鳥獣戯画は動物)が、とても躍動感に溢れているんです。
信貴山縁起絵巻は奈良国立博物館に寄託されており、現在、同博物館で開催中の特別展「国宝 信貴山縁起絵巻」では、三巻すべての場面が同時公開中です。
三巻すべてが同時公開されるというのは史上初めての試みとのことで嬉しい限り。この機会は逃したくないですね。特別展「国宝 信貴山縁起絵巻」は2016年4月9日(土)~5月22日(日)の期間、奈良国立博物館で開催中です。
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