助六は恋人の名前です

Japaaan編集部

お弁当コーナーを見ているとよく見かけるのが「助六寿司」。どこでも見かける顔ですが、どうにもこうにもなぜ「助六寿司」なのかが分からない。
入っているのは、おいなりさんと巻き寿司。
・・・・・・どこにも「助六」である要素が無さそうに見えるますよね。

それでちょと調べてみると、この「助六寿司」が歌舞伎の人気演目「助六由縁江戸桜(すけろくゆえんのえどざくら)」の幕間に出されていたお弁当だったことが分かりました。

だから「助六寿司」ね、とそこで単純には終わりません。なぜなら、江戸時代は粋が大切だからです。

 

 

助六の恋人、揚巻

「助六由縁江戸桜」では、主人公助六の恋人として揚巻という名前の花魁が出てきます。
この恋人の名前に注目!
揚巻(あげ=おいなりさん、まき=巻き寿司)、というわけで、この揚巻の名前にかけて、幕間においなりさんと巻き寿司のお弁当が出されるようになったんですね。

でも、だからといってそのまま「揚巻寿司」ではいかにも野暮ったい。粋を大切にする江戸の人はそこで恋人である助六の名前を持ってきて「助六寿司」と呼んだわけですね。

全く意味が分からないと思っていた「助六寿司」にも、こんな面白い由来があったんですね。

「助六寿司」の名前の由来にはもう一説あって、助六がハチマキを巻く様から「巻き寿司」に、揚巻を「おいなりさん」に見立てるという考え方もあるそうです。

助六のモデル色々

歌舞伎の中で助六は吉原中の遊女から好かれているという、非常に人気の色男。
そんな助六にはモデルがいるそうです。

第一のモデルが江戸浅草の米問屋の大捌助六(おおわけすけろく)
第二のモデルが京都や大阪で色男として名を馳せた助六
第三のモデルが江戸蔵前の札差で粋な文化人の大口屋暁雨(おおぐちやぎょうう)

このうち第二のモデルの助六には、実際に総角(あげまき)という遊女と恋仲になって、果たせぬ恋だったために心中した、というエピソードが残っています。
しかし、このエピソードには諸説あって、実はケンカで負けて殺されてしまった助六の敵討ちを総角(あげまき)が行ったとか、総角(あげまき)は大阪新町の太夫だったとか、助六は大阪の萬屋の若旦那だったとか、色々なことが言われています。

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