メタモルフォーゼな京野菜「聖護院大根」が連れてくる、京都の冬

独虚坊

『京野菜』という言葉を聞いて、どんなことを思うでしょうか。

豊かな表情を見せる四季の空気に育まれた、雅で美味なる野菜か。あるいは、何でもかんでも頭に「京」を付け、ブランド商売に励んでる野菜か。人によって思うところはいろいろでしょうが、とにかく何らかの「違い」はイメージされることでしょう。

もちろん、本当の「違い」は味そのものにあり、その「違い」は一食瞭然という話ではあるんですが、見たまんまのレベルにおいても『京野菜』は明らかな「違い」を見せることがあります。鹿ヶ谷カボチャなどの『変態京野菜』が、そうです。

『変態京野菜』というのは、今、私が勝手に思いついて付けた呼び名に過ぎません。しかし、実際の鹿ヶ谷カボチャを見たら、「変態」というか「変形」、とにかく何らかのメタモルフォーゼ感を感じずにはいられないのではないでしょうか。


このヒョウタンにしか見えないカボチャ、元々は津軽より種が持ち込まれたそうですが、京都の鹿ヶ谷で長年栽培されるうちに、メタモルフォーゼ。その様はまるで、京都という土地が持つ魔力によって変形したかのようです。他所から京都からやってきた人が、長年この地へ住むうちに精神が変容し、最後には「いけず」の一発もかます京都人と化していくのにも似て。


鹿ヶ谷カボチャと並ぶ『変態京野菜』の代表選手といえば、京都の冬には欠かせない聖護院大根でしょう。こちらも、尾張から持ち込まれた普通の大根が聖護院のあたりで栽培されるうちに、メタモルフォーゼ。かぶにしか見えないルックスに化けました。


千本釈迦堂では12月初旬、この聖護院大根をつかった大根焚きを開催。京都によって変形した京野菜が、京都の冬を連れてくるというわけです。

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