村上隆氏は、世界で大活躍を続ける現代美術家です。日本の伝統美術やサブカルチャーを取り込んだユニークな作風は、「スーパーフラット」という芸術運動へと展開し、世界中で高く評価されています。
「村上隆の五百羅漢図展」は、日本で14年ぶりに開催される村上氏の大規模な個展です。全長100メートルにも及ぶ大作《五百羅漢図》を中心に、新作約30点を含む作品の数々を展示。現代アートを牽引する村上氏の「今」を目の当たりにできるチャンスです。
四神をモチーフに構成された《五百羅漢図》の世界
壮大なスケールで壁面いっぱいに描かれた《五百羅漢図》。中国の四神「白虎」「青龍」「玄武」「朱雀」をモチーフにした4つの世界には、さまざまなイメージが躍ります。過去の《五百羅漢図》に描かれた羅漢(=聖者)や赤鬼・青鬼、アニメキャラを参照した霊獣、宇宙や火の世界といった背景など、いつまで見ていても飽きない作品です。
《五百羅漢図》の制作には、約200人の学生たちが携わったそうです。その制作現場で使用されたシフト表や指示書なども展示されています。
また、村上氏が《五百羅漢図》を制作するきっかけとなった、美術史家・辻惟雄氏とのコラボ企画「ニッポン絵合わせ」を紹介。村上氏にインスピレーションを与えた長沢芦雪と狩野一信の《五百羅漢図》も参考展示されています。