人口が密集した地域では土地の問題もあって墓地の省スペース化という話も聞きます。最近では仏壇も非常にコンパクトで省スペース設計なものが出てきていますよね。
奈良市埋蔵文化財調査センターが29日に、古墳時代後期の円筒形をした縦置き型とみられる、省スペースを考慮した棺(ひつぎ)を2つ発見したと発表しました。棺の底が平らなことから縦置き型と考えられ、全国的に縦置き型の棺というのは例がないということです。
今回発見された2つの棺のサイズは口径約30cmで高さ約85cm、口径約27cmで高さ約67cm。文化財研究所によるとこの棺が埋葬された時期の7世紀半ばには埋葬施設や葬儀を簡素なものにする「薄葬(はくそう)」というものが広がっていった時代なのだそうです。
狭川(さがわ)真一・元興寺(がんごうじ)文化財研究所研究部長は「7世紀半ばは埋葬施設や葬儀を簡素なものにする『薄葬(はくそう)』が広がる時代。縦置き型の棺は、専有面積を小さくする必要に迫られていたことがうかがえる」と話す。
朝日新聞デジタル
現在の墓地の省スペース化となった原因とは違うのでしょうが、古墳時代にも流れを汲んで埋葬のされ方も変わっていったのでしょう。
今回発見された縦型の棺は平成27年7月1日(水)~8月28日(金)まで奈良市埋蔵文化財調査センターの展示室前ロビーで展示されます。
平成27年度 夏季速報展示 「赤田横穴墓群の陶棺2 -9号墓出土の陶棺と遺物-」 – 奈良市