この人たちはリズムに乗って囲碁に興じているのではありません。彼らは、囲碁がインターフェースとなったリズム・シーケンサー「IGO MASCHINE」で演奏中なのです。エナジードリンクRedBullが運営するレコーディングスタジオRed Bull Studios Tokyoでお披露目されました。
「IGO MASCHINE」は碁石が置かれた碁盤から、画像認識によりシーケンサーMASCHINEをコントロールするシステム。19×19のマス目を使って、リズム、ベース、リードの3トラックとループ再生やエフェクトまで制御できます。
では、DJでミュージシャンのモーリー・ロバートソンさんが囲碁で演奏する様子をご覧ください。
碁盤の左上を起点とした16×16マスはドラムとメロディーを制御。黒い碁石はドラムサウンド、白い碁石は置く場所によって音階の高低をコントロールしてメロディー演奏する仕組みになっています。音階は日本の音階であるヨナ抜き音階というのが心憎い演出です。
碁盤下部の縦3×横16マスではモノフォニック・ベースサウンドをトリガー。碁盤の右上から縦16マス×横3マスはサウンドやエフェクトのパラメータのコントロール、右下の3マス×3マスは数種類のパーカッションループをトリガーします。
使われている碁石は白と黒の2色ですが、後方のモニタ上ではどの碁石がどのサウンドをトリガーしているのかわかりやすくするために色付けされています。
701年の大宝律令以前から日本で楽しまれてきた囲碁と音楽を融合させた「IGO MASCHINE」をプレイする様子は、囲碁の対局の様子とそっくりで、ライブ・パフォーマンスや音楽制作で面白く活用できそう。開発したNativeInstrumentsのプロトタイプ製作チームによると、残念ながら一般への公開は予定されていないとのこと。なんてもったいない!
LEGOブロックと画像認識を使ったシーケンサーが話題になったNativeInstrumentsのプロトタイプ製作チームは、これまでにも日本に関係したものを開発しています。その名も「寿司シーケンサー」。回転寿司のベルトコンベアを流れるお寿司を使ってループをシーケンス。
他にもまだまだシーケンサーにできそうな日本文化がありそうですね。