ジョブズと京都と禅寺と

Japaaan編集部

故スティーブ・ジョブズは、禅の信奉者として知られてます。アップル創業の頃は、会社を立ち上げるか、禅寺に入るかで迷ったというから、大変なものです。一歩間違えると、私達は今とは全く違うIT生活を送ってたかも知れません。もっとも、禅僧になったらなったで、彼は私達の宗教生活を今とは全く違うものにしてたかも知れませんが。

ジョブズが生み出した製品に禅のミニマリズムを見出すことは、難しいことではありません。見たまんまとも言えます。「ザ・ミニマリズムっ」みたいな。「いつもより多めに削っておりますっ」みたいな。なのに、凡百のパクリ、あるいは本当にただ「削った」だけで何もない商品と一線を画してるのは、何故なんでしょう。


禅寺といえば、枯山水です。庭から水を廃し、石や砂で山水を描いた、枯山水庭園。禅の思想を体現した形式であり、ゆえに象徴化と抽象化はどんどん促進。修学旅行生たちを謎の世界へ導く龍安寺石庭なんてのも、生み出しました。見る側がイマジネーションを起動しないと、何も機能しない庭。逆に、一旦起動すると、無限の可能性を見せる庭。ジョブズはよくお忍びで来日し、京都の禅寺でこれらの庭を眺めたそうです。

アップル製品のシンプルなインターフェイスは、ユーザーを馬鹿扱いし、サルでも使えるよう作られたものではない。多くの人が、そう感じるはずです。「無限」の可能性へのアクセシビリティを上げるため、無駄を省いただけだと。そして、その省略を担保してるのは、ユーザーのイマジネーションへの信頼だと。私達は、信頼されている。そして、賭されている。自身のイマジネーションに。まるで高踏な「かまってちゃん」です。熱狂的なファンが生まれたのも、当然かも知れません。

そんなジョブズが愛した京都の禅寺を巡るスマホ用アプリが、リリースされてます。その名も「京都禅寺巡り」。リリース元は、禅文化研究所。アクセスから由緒まで、各種情報を提供してる優れものです。ジョブズが開発したiPhone 片手に、ジョブズの禅への思慕を感じながら、京都を歩くのもいいかも知れません・・・

と思ったらこのアプリ、アンドロイド専用でした。iPhone用は、ありません。

どないやねん。

京都禅寺巡り – 禅文化研究所

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