春の気配とともに2月〜3月にかけて、一輪、また一輪と花をほころびさせ、上品な香りを漂わせる「梅」。実は、ひと口に「梅」といっても様々な種類があります。
そんな梅の中でも、紅・白・うす桃色・絞り・まだらと、1本の木からさまざまま色合いの花を咲かせる、珍しい梅があるのはご存じでしょうか?
その名も、「思いのまま」。京都の北の天満宮では、思いのままの枝を縁起ものとして授与することでも知られているのです。
人が思うようには咲かぬ……花の付き方も、色合いも、全て梅次第の「思いのまま」をご紹介しましょう。
奈良時代から日本で愛されていた「梅」
神社やお寺、庭園、庭先など、あらゆる場所で見かける「梅」。初春とはいえども、まだ寒い日々が続く2月頃、控えめな花を次々と咲かせ、周囲には上品な香りを漂わせて春の訪れを感じさせてくれます。
梅の歴史は長く、日本に梅が伝わってきたのは奈良時代以前。原産地の中国では、3000年以上も前から燻製にした青梅を薬として用いていたそうです。また、梅は木の実・果物に分類され、桃・びわ・梨などとともに梅も生菓子として食べていたそう。
梅は非常に品種が多く、中国から渡来した種のほかにも、江戸時代にはたくさんの品種改良が行われ、現在では実に200種類以上もあるそうです。
そして、花の鑑賞を目的とする「花梅」と、実の採取を目的とする「実梅」に分類されます。
紅梅、白梅があるのは知っていても、種類が豊富だとは知らなかった人も多いのではないでしょうか?