竹や木の枠、粘土などで作った型に紙を貼付ける造形技法を「張り子」と呼び、日本では室町時代頃に中国から伝えられ、郷土の民芸品や玩具として今もなお親しまれています。
その張り子は沖縄でも「琉球張り子」という郷土玩具として存在しています。豊永盛人さんは琉球張り子の作家さんで、オリジナリティ溢れる可愛らしい張り子を作っています。
豊永盛人さんの作品は単なる郷土の民芸品として括ることのできないオリジナリティとユーモアに溢れています。
近代に沖縄で作られた張り子は戦争によって多くが消失してしまい、現存する琉球張り子は非常に少ないそう。さらに琉球張り子を受け継ぐ後継者の不足問題もあるそうです。
豊永さんはそんな琉球張り子を研究しオリジナルの作風や技術を取り入れた作品を作っています。
大がかりな“芸術”よりも、生活に密着した“芸術”にひかれます。琉球張り子は小さいけれど、大きな何かが込められた“理想の形”を目指すこともできる。古典と呼ばれているものを調べたり、そこからインスピレーションを得たり、まったく新しい発想でオリジナルを作ったり。伝統だけでも創作だけでもない張り子づくりのリズムが、自分の性に合ったんでしょうね
豊永 盛人 ヒト×モノ×コト | 特集 | フラッグシップ沖縄 – Flagship OKINAWA
張り子は各地の民芸品として見ることがよくありますが、こういったオリジナルの作風を取り入れる事で単なる「おみやげ」では終わらないアート作品として捉えることもできますね。