元々は道標が由来。迷わないための目印「しおり」の語源、知っていますか?

湯本泰隆

読書の際、どうしても中断しなければならないところがでてきたとき、私たちが重宝している「しおり」。これは、本をどこまでよんだか、わからなくならないように、はさむものです。

また、旅をするときに、どう行けばいいのか、わからなくならないように、案内してくれる小冊子。こちらも同じように「しおり」といいます。

ともに迷わないように目印となるものですから、「しおり」と言っています。

「しおり」は通常漢字で「栞」と書きますが、それとは別に「枝折」とも書きます。これはもともと、山道などを歩くときに道標として木の枝を折り曲げていた撓る(しほる)という言葉からきています。

この「撓る(しほる)」という言葉が、「しをる」と変化し、「草木を曲げたり、しならせる」という言葉から「枝折る」という漢字が当てられるようになり、それが名詞となって「枝折」となったのです。

また、「栞」と漢字で書くようになったのも、同じような意味があるからです。「干干」は笄(こうがい)が2本高さがそろっている形を表しています。

「栞(しおり)」という漢字は、同じ高さのものがそろっていることを意味する「干干」と「木」が結びついた漢字。つまり、木を削り、同じ大きさに削ることによつて帰り道のみちしるべとしていたことに由来します。

ちなみに単行本や文庫本についている紐状の栞。こちらは、業界用語で「スピン」と呼ばれるもので、日本だけで使われる和製英語だったのです。

その語源について、詳しいことはわかっておらず、いろいろな説があるようですが、英語で本の背を指す「スパイン(Spine)」が転じたという説が最も有力であり、説得力があります。

読書の際に使う「しおり」も、旅の「しおり」も、元々同じ言葉「枝折る」から出た言葉だったのですね。

参考

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