神前結婚式 実は意外と新しい儀式だった!

Japaaan編集部

6月はジューン・ブライドの季節。結婚式というとこれまではキリスト教式を選ぶ人が多かったですが、芸能人による明治神宮などでの和装の結婚式が注目されたりして、神社で挙式をする「神前式」の人気が高まっているようです。

実はこの神前式、キリスト教式よりも新しいってご存知でした?(日本で初めてキリスト教式の結婚式を挙げたのは、同志社英学校(同志社大学の前身)の創立者の新島襄と八重夫妻で、明治9年のことです)もともと日本の結婚式は自宅に客人を招いて、神様のお名前が記された掛け軸の前で行うのが一般的でした。

当時は「祝言(しゅうげん)」といって、結婚式というよりも晴れて夫婦になったことを親戚や近所の人にお披露目する「披露宴」に近かったのかもしれません。

「神様の前で結婚の儀式を行う」ことになったのは、明治時代の皇室が始まりです。明治33年に当時の皇太子のちの大正天皇の婚儀が宮中の賢所(かしこどころ)で行われました。賢所は天照大御神(あまてらすおおみかみ)をおまつりしている神殿です。これをを記念して、日比谷大神宮(現在の東京大神宮)では一般の人々に向けた神前結婚式を行い、このスタイルが全国各地に広まっていきました。

現在、東京大神宮で行われている神前式は、三三九度の盃につづき、生演奏の雅楽の調べにのせて巫女さんたちの祝いの舞が奉納され、古式ゆかしい趣があります。舞を見て日本の結婚式の美しさと荘厳さに感動する人も多いのだとか。最近は神社の境内に篝火(かがりび)を焚(た)いて行う夜の婚礼もあり(秋・冬限定)新しい試みとして人気があるそうです。

新しい試みといえば、指輪の交換も、本来は神前式にはなかった儀式でしたが、戦後になって式次第に取り入れられたそうです。一見伝統に縛られているように思われがちな神前結婚式ですが、時代や生活様式の変化にも柔軟に対応している「新しい」結婚式なのです。

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