室町時代以降にインドやペルシャ、ジャワから日本に伝わった木綿地の文様染め「更紗(さらさ)」。そのエキゾチックなデザインに日本人は魅了され、更紗生地を用いた製品が多く作られました。
また、更紗文様のデザインを用いた製品を作るため、更紗文様のテクニックなどをまとめた書物なども作られていました。
以前、大正15年(1926年)に内田美術書肆から出版された、約50図案もの更紗文様が掲載されている「割附ト更紗」を紹介しましたが、
デザインの参考に!約50もの更紗文様が掲載された大正時代の文様集「割附ト更紗」一挙紹介
以前Japaaanで、明治時代の美しい図案コレクションや、江戸時代の浮世絵に描かれた伝統文様集を紹介しました。[insert_post id=24248][insert_post id=24610…
今回は「古渡更紗譜」という書物を紹介します。
「古渡更紗譜」は、「割附ト更紗」と同様に更紗文様の技術書です。江戸時代に作られたものと思われます。”古渡(こわたり)”とは、室町時代以前に日本に渡来してきたことを意味する言葉で、古渡更紗とは、渡来してきた更紗文様を指しています。
なお、渡来してきた更紗を真似して国内で作られた更紗は”和更紗”と呼びます。
「古渡更紗譜」は「割附ト更紗」ほどのページ数ではないものの、更紗ならではの動植物を用いたエキゾチックなデザインは今見ても新鮮です。実際に渡来してきた文様なので人物や動物の表情が独特ですね。
デザインやイラスト業に携わっているかたは参考になると思いますので、是非チェックしてみてください!