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昔からオナラ好きだな(笑)放屁芸で財を成す老人とそれを羨む老人のどうでも良すぎる室町時代の絵巻

「福富草紙」放屁芸で財を成す老人とそれを羨む老人のどうでも良すぎる室町時代の絵巻

先日紹介した、室町時代に制作された御伽草子(おとぎぞうし)「十二類絵巻(じゅうにるいえまき)」を始め、室町時代あたりから江戸時代にかけての絵巻物の中には、アニメ化されてもおかしくない、とてもユニークな物語が数多く存在します。

映画化希望!十二支とそれに属さない動物たちとの闘争を描いた室町時代のハードボイルド絵巻「十二類絵巻」

室町時代〜江戸時代初期にかけて作られた短編の物語を総称して「御伽草子(おとぎぞうし)」と言い、Japaaanでは以前「鼠草子(ねずみのそうし)」という、ネズミたちを擬人化させたとっても可愛い絵巻物を紹…

でも”昔の絵巻物”ということで堅苦しく考えてしまい、面白いストーリー展開や可愛らしい描写が詰め込まれた作品を見逃してしまっていることってまあまあ多いと思います。

今回紹介する絵巻もそんな作品のひとつかもしれません。紹介するのは室町時代に成立した物語「福富草紙」です。福富草紙は後にオリジナルをもとに登場人物や展開を変えたバージョンも作られました。

物語の内容は日本昔ばなしで描かれるような、庶民的でちょっぴり滑稽なお話です。

あるところに高向秀武(たかむこのひでたけ)という老人がおり、秀武は生活のために放屁(ほうひ)の珍芸を習得。放屁とはオナラのことですw

この放屁芸があたり秀武は多くの富を得ます。その秀武の成功を見た隣家の福富という老人が、お金欲しさに秀武の放屁芸を真似するも失敗し、罰せられてしまう…というお話です。

どこかで聞いたことがある展開、と思った人もいるかと思いますが、この展開は「花咲か爺さん」に似ていますね。花咲か爺さんも室町時代あたりに成立した物語とみられていますが、どちらも、今でもよくある展開ですね。

物語の序盤から”放屁芸で財を成す”という展開、絵巻物を堅苦しく考えていたことがバカバカしく思えてくるほどです。歴史の調査や研究としてでなければもっと気楽に絵巻物を楽しんでいきたいものです。

ちなみに”放屁芸”つながりでいうと「放屁合戦(ほうひがっせん)」というタイトルまんまの絵巻物が有名で面白いのでぜひ合わせてチェックしてみてください!

おならビーーム!江戸時代に描かれた放屁合戦なる絵巻物がアホすぎるwww

江戸時代には庶民の暮らしをおもしろおかしくユーモアたっぷりに色々な日本画が描かれていましたが、ここまでアホすぎる ユーモアあふれる作品もなかなかないでしょう。今回紹介する日本画作品は江戸時代末…
 

福富草紙 – 国立国会図書館デジタルコレクション

 

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