イラストを描くときに人物や物のカット集が手元にあると便利なもの。江戸時代には葛飾北斎の北斎漫画や歌川広重の百猫画譜など、人気絵師も現代のカット集と同様の体裁で指南書を刊行していました。
葛飾北斎による指南書から貴重な河鍋暁斎の絵日記まで、人気浮世絵師たちのスケッチ画まとめ!
江戸時代の絵師たちの代表作というと、錦絵と呼ばれる多色刷りの木版画作品や肉筆浮世絵が筆頭に上がりますが、絵師たちはその他にも小説の挿絵や指南書なども積極的に手がけていました。特に画法などを解説…
今回紹介するのは、昭和23年(1948年)に国民図書刊行会から刊行された「略画事典」という書籍です。
松田義之、岡登貞治が制作に関わった書籍で、日常生活でよく目にするあらゆるものが、シンプルに簡略化して描かれたカット集です。この本は、絵を描くことが難しいと感じている人が、まず真似て描いてみるための入門書のようなもの。
カット集には人物、植物、動物、生活雑貨、食べ物、建物、乗り物などありとあらゆるものが描かれています。
「略画事典」を眺めていて面白いのは、昭和23年の書物なので、イラストがとてもノスタルジックで哀愁のあるタッチなんです。当時、リアルタイムでこのようなタッチが主流だったわけで、あえてノスタルジックに描いたものとは違った本物感が伝わってきます。
イラストやデザインを生業にしている人は資料として参考になるのではないでしょうか?しかもこの「略画事典」は著作権の保護期間が終了しているので、国立国会図書館デジタルコレクションで全ページ閲覧&ダウンロードすることができます。
気になった方は是非チェックしてみてください!