3月に入り、春の訪れを感じる暖かい日が多くなってきて、山へハイキングに出かける人も増えてくる時期になりました。登山者にとって必携アイテムとも言えるのが地図。地図にはさまざまなものがありますが、登山を趣味としている人は、国土交通省の国土地理院が公開している「地理院地図」を携帯している人が多いでしょう。
今回、その「地理院地図」に関してすばらしい発表がありました。3月7日、多数の登山者の移動経路情報、いわゆるビッグデータを使って登山道を修正した「地理院地図」を公開したと、国土地理院が発表しました。
ビッグデータとは、通常のシステムでは記録や解析が難しい巨大なデータの集まりのことを差すもので、例えば、多数の車の位置・移動情報を使って渋滞情報を把握したりするときにもビッグデータが活用されています。
今回の「地理院地図」の修正には、登山情報の記録・共有サイトであるヤマレコとヤマップに投稿された登山情報をビッグデータとして利用。登山者の実際の移動経路と地理院地図の登山道の違いを分析して、地理院地図に修正を加えました。
今回修正の対象になったのは、大量の移動経路が利用できた上高地及び八ヶ岳地域の主な登山道。すでに修正された地図は国土地理院のウェブ地図に反映されています。今後は全国の主要な山域の登山道の修正を順次行っていくということです。
登山道は雨や雪など様々な気候の影響を受けて変化することは少なくありません。そんな登山道の最新の情報を定期的に地図に反映するというのは、容易なことではありません。
今回のような登山者の情報を活用することで、地図を最新の状態に保つことがこれまで以上にスピーディになることは間違いないですね。自分の登山履歴が利用されることがより安全な登山につながるというのは、素晴らしいサイクルかと思います。