稀代の浮世絵師・葛飾北斎は、国内外で高く評価され、日本を象徴する存在のひとつと過言ではありません。代表作の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」は「The Great Wave」として、世界的にも広く知られ人気の高い作品。2019年度からはパスポートのデザインに採用されることとなっています。
時代も海も越えて人気の高い浮世絵師・葛飾北斎。イギリスの大英博物館で2017年5月25日(木)〜8月13日(日)に「Hokusai:beyond the Great Wave」と題して、北斎の晩年の人生と作品に焦点を当てた展覧会として英国初の展覧会が開催されます。
大英博物館での展示終了後、2017年10月6日(金)〜11月19日(日)に大阪のあべのハルカス美術館で「北斎-富士を超えて-」が開催されることとなりました。大英博物館での展示と同様、晩年30年間に北斎が目指した世界を紹介する内容。
同展では、代表作「冨嶽三十六景」をはじめ、肉筆画を中心に北斎の還暦以降の30年間に制作された作品を展示。保存上の理由から、展示期間が限定されている作品も多数展示を予定されており、これまでにない貴重な機会となりそうです。代表作の他、北斎の娘・葛飾応為の作品も展示とのこと。
妻の死や自身の病気など、様々な苦難に見舞われつつも画業に邁進した晩年の北斎。歳を重ねるにつれて画家としての技量がさらに高まると信じ、90歳で亡くなるまで力強い作品を生みだしました。芸術家の人生の特定の期間にフォーカスした展示は、北斎の追い求めた世界に迫る、これまでにない興味深い試みです。
公式サイト:北斎 ―富士を超えて―