思わず目を奪われてしまう美しい造形。和菓子の型を使って、和紙で作られる、日本のおめでたいモチーフのオブジェや雑貨たち。制作されているのは、現代美術家・永田哲也氏。
永田氏の代表作「KIOKUGAMI 和菓紙三昧」は、実際に和菓子を作るときに使われていた型に、和紙を貼り込んで制作されます。使われている和紙は、絹にも例えられるほどの美しさを持つ、茨城県の手漉き和紙「西の内紙(にしのうちがみ)」。
紙の持つ独特の温かみが感じられる作品たちは、「和菓子」ならぬ「和菓紙」。素材は和紙なんですが、じっと見ているとなんだか甘味を感じる不思議でステキな風合い。落雁だよ、って言われたら食べちゃうかも。
日本にはかつて、七五三や結婚といった慶事に和菓子を捧げる風習があり、和菓子に使われるモチーフにはお祝いの気持ちが託されてお菓子が作られていました。食べてしまえばなくなってしまうのに、細かいディテールにまでこだわって作られた和菓子。消え物にここまでの美しい造形を追求する、日本の美意識の高さを再確認させられます。
東京・青山のスパイラル1階のMINA-TOで、2016年12月26日から2017年1月15日まで開催される展示会では、通常販売されている小物のほか、室内に飾って楽しめる大型の作品も多数展示販売されるとのこと。縁起のよいモチーフがいっぱいに組合せられた大型の作品は、お正月のお部屋を彩るのにぴったりです。家の中がいっぺんに華やかで、福々しい雰囲気に。
大型の作品に負けずおとらず、小物作品にも素敵なものがいっぱい。かわいらしいモチーフが揺れ動く「ビョンビョン」。その名の通りビヨンビヨンと動くユーモラスな様子は、ほっこりかわいくって癒やされます。「ビクビク」は、手のひらにのせると生きているようにビクビクと動くんですって。
他にもカードやぽち袋、ご祝儀袋など、年始に最適なアイテムも多数展示販売されるとのこと。こんな素敵なぽち袋、ずっと大事にとっておきたくなりますね。
和紙の白と淡い彩色が生み出す陰影が、やさしく、どこか懐かしい印象を思い起こさせる「和菓紙」シリーズ。間近に見て、そっと触れてみたくなる作品たちですね。永田氏のウェブサイトでは、大型作品や可愛らしい和紙アイテムも多数掲載されていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。