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日本語が死滅した「未来」からやってきたかも知れない謎の無法音楽「Future Funk」

日本語が死滅した「未来」からやってきたかも知れない謎の無法音楽「Future Funk」

海外で勃興してるというFuture Funkなる音楽を、皆さんは御存知でしょうか。

雑に説明すると、主に80年代のAOR系音源を、ヤケクソ気味にアッパーなリズム補強+フィルター+乱暴にエディットした感じのものです。「消費文明に対する何ちゃら」と、難しく言おうとしたら色々言えそうですが、ざっくり言えば外道にして無法な音源であります。

このFuture Funk、Vaporwaveなるジャンルから派生したものだそうですが、細かいことは私もよくわかりません。わかるのは、この海の向こうの無法な輩どもがやたら日本のネタを使ってること、そして「こいつら、日本語わかってない」と感じさせるエディットが妙に気持ち良いことです。

「どんにっとりっかすっ、べっべっ、べろっととろぶ、おもいどり~びっ、どんにっとりっかすっ、べっべっ、べろっととろぶ、おもったっ、ふうっ」と、やはり外道にして無法極まる映像に乗せて響くイントロ。異様です。しかし同時に、妙な魅力も感じてしまいます。その後に続く元歌丸パクリは、詳細に触れるのも怖いですけど。

アーティスト名に壊れた日本語が混入してるのも、このジャンルの特徴でしょう。「マクロスMACROSS 82-99」「スーパーセックス永遠に」など、ひどいもんです。しかし、音の方には訳のわからん快楽性と中毒性が漲ってて、聞き続ける内にイントロとかで「まぁっくろぉすっ」と一緒に叫んでしまったりするから、不思議です。

日本人的には、元ネタ曲の良さを妙に印象づけられるのも、このジャンルの魅力になり得るでしょう。単に「良い」を越え、驚かされることも少なくありません。私は、具島直子という素晴らしいミュージシャンを、「逮捕しちゃうぞ」と言いたくなるこの無法動画で知りました。本人もファンの方も、こんな知り方は全然嬉しくないでしょうが。

日本語ネイティブが死滅した「未来」からやってきた音楽にも聞こえなくもない、Future Funk。BABYMETALが華々しい形で「日本語の歌」を世界へ通してしまった裏で、違う形の「日本語の歌」をこっそり浸透させていくのかも知れません。もちろん、しかるべき筋からしかるべきクレームが行き、明日には全てが削除されてるかも知れませんけど。

 

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