前田敦子さんこと「あっちゃん」卒業がメディアを賑わせております。
よくAKBはその性質が似ていることから宝塚と比較されることが多いようです。
確かに女子だけの集団、ファンとの距離の近さ、特定のファン層、似ているところはいろいろあります。そして宝塚同様AKBも、近年メンバーに選ばれるのはバレエやピアノなどの習い事に秀でた子たち。実際にAKBは宝塚を目指しているのではとよく言われています。
なんでああいう集団が受けるんだと欧米からは揶揄されているように、宝塚もAKBもどうも文化としては日本独特のもののようです。
そして「トップ」や「センター」を頂点とするプラミッド型の構図。絶対王者をわざわざ決めるというところも、この集団を盛り上げるのに一役買っています。
一体この女子のヒエラルキー集団の源流は何なのでしょうか。
一つ思い浮かべるなら、江戸時代の遊郭でしょうか。
太夫(たゆう)とか花魁(おいらん)と呼ばれるトップの遊女を頂点とした、巨大な花街の構図。うん、これはちょっと近いかもしれません。
お嬢様集団の宝塚と遊郭を一緒にするなと言われるかもしれませんが、江戸時代の太夫は公家や大名・豪商など、セレブしか相手にしない高級娼婦。お琴や和歌などひと通りの教養を身に着けている、一流の芸能人です。
吉原の遊女には厳しい序列があり、何千人もいる遊女の中で太夫はほんの2~3人しかいない「センター」のポストでした。
「推しメン(応援しているメンバー)」のような「馴染み」が決まっている所も似ています。(宝塚では「ご贔屓」と呼ぶらしいです)
吉原では自分の馴染み以外の遊女に手を出すことはご法度で、破ると厳しい制裁を加えられますから、AKBよりも厳しいですが。「神推し(一番好き)」のみしか許されないというところでしょうか。
さてAKBは花魁や宝塚のように「日本文化」として歴史的に定着するまでになるんでしょうか。あっちゃん卒業の次の展開を見守りたいと思います。