下町の風情が残る東京台東区「谷中ぎんざ商店街」の入り口に、「天然」で人気のかき氷屋さんがあります。
「天然」と言っても、お店の人がドジなかき氷屋さんという意味ではありません。
なんとかき氷がすべてが天然素材。氷は日光の天然水から作られたという天然氷、そして蜜はフルーツの果汁を絞って作ったという天然の無添加シロップがかかっているかき氷なんです。
お店の名前は「ひみつ堂」。「ひみつ」ってあの「秘密」かと思いきや、違うんです。「ひみつ」はなんと「氷蜜」なんですね。
天然のかき氷は普通のかき氷とは色や形、味もちょっと違います。氷ベースのパフェと言いますか、形のあるフルーツジュースと言いますか、とにかくここでしか味わえないかき氷は大変な人気を呼んでいます。
特にこの季節は連日の大賑わい。先日も訪ねてみたところ、谷中の狭い路地に若い女性たちの行列ができておりました。
今の旬はメロンと晩柑。筆者は「晩柑ヨーグルト」を注文しました。
天然氷のフワフワとしたかき氷にヨーグルトソースがたっぷりとかけられて運ばれてきます。ここにいきなり果汁をぶっかけると、ヨーグルトソースが果汁を弾いてしまうので、真ん中に穴を開けて堤防を作り、果汁を中に流しこむのが「ひみつ流」です。
ヨーグルトの酸味と晩柑の苦味が混ざって、かき氷なのにほろ苦い大人の味。フワッフワの氷は口の中で上品に溶けていきます。ラストは溶けて液体になってしまった残りのジュースまで楽しめるように、ストローが用意されています。
あのベトベトした着色のかき氷も懐かしいですが、ちょっと大人の味を楽しみたい人には楽しいお店です。
もともと屋台を中心に展開していたという「ひみつ堂」、お店を構えたのは昨年の5月だそうです。お店は季節限定ではなく、一年中開いており、冬はバナナやキャラメル味がオススメだそうです。
「天然」って人に使われる時はちょっと「△」なイメージですが、食べ物に使われるとハイレベルなものに思えるから不思議です。今日も「天然」のかき氷に惹かれて、女子たちが行列を作っていることでしょう。
・ひみつ堂