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『べらぼう』大河史上に残る“おさらばえ”…もう一度逢いたい瀬川(小芝風花)、涙腺崩壊の名場面10選【後編】

『べらぼう』大河史上に残る“おさらばえ”…もう一度逢いたい瀬川(小芝風花)、涙腺崩壊の名場面10選【後編】

「べらぼう」の登場人物の中でも、「もう一度逢いたい!」という声が多い瀬川(小芝風花)。

【前編】では、漢前でかっこよかった場面、蔦重(横浜流星)との“甘酸っぱいやりとり”、ドキドキする二人の駆け落ち計画、花魁としての覚悟など、話題となった数々の名場面を振り返って考察してみました。

『べらぼう』残りわずか2話!もう一度逢いたい蔦重のソウルメイト瀬川(小芝風花)、涙腺崩壊の名場面10選【前編】

大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」も、残りあと2回。スリリングな展開になりましたが、ファンからは「懐かしい顔ぶれが次々!」「べらぼうらしい『おふざけ』が戻った」などの喜びの声が挙がっています。…

【後編】では、“おさらばえ” がSNSでも大絶賛となった、あまりにも美しい白無垢の花嫁道中、鳥山検校(市原隼人)への真摯な気持ち、そして蔦重のため、自らの幸せを手放す覚悟などを振り返って考察します。

蔦重の“夢噺”はここから始まった

第10回「『青楼美人』の見る夢は」

鳥山検校との身請け話が決まり、最後の花魁道中を控えた瀬川の部屋に、蔦重が訪れ贅沢な大型本『青楼美人合姿鏡』を渡します。

「あんたが何かくれる時はいっつも本だなって」と笑う瀬川。

※参考記事↓

大河「べらぼう」蔦屋重三郎と瀬川を生涯結ぶ2冊の本 『心中天網島』『青楼美人』の紹介と考察【前編】

「あんたが何かくれる時はいつも本だなって」……身請けされ吉原を出ていく瀬川花魁(小芝風花)が、自分に餞別として本をくれた蔦屋重三郎(横浜流星)に笑いながらかけた言葉です。その言葉の通り…

二人の間にはいつも“本”がありました。幼い頃にくれた『塩売文太物語』。鈍感な蔦重が、立派な家に嫁いでほしいと贈った『女重宝記』。駆け落ちしようと女通行手形を挟んでくれた『心中天網島』。そして、遊女の日常を描いた『青楼美人合姿鏡』。

今回、贈った本の巻頭には、“瀬川が部屋で本を読んでいる姿”が描かれています。「楽しいときもあった」と涙ぐむ瀬川。

吉原を去る彼女に、「吉原を楽しい場所にする。いい身請けがゴロゴロあるような」という“夢”を語る蔦重。そして「これは二人でみてきた“夢”じゃねえの。だから俺はこの“夢”から醒めない。お前と俺を繋ぐものはこれしかない。この“夢”を見続ける」と。

このドラマの「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」のタイトル、ここで回収されました。ここから先、蔦重の “夢噺”が始まります。

蔦重栄華乃夢噺は、蔦重と瀬川の二人の夢から始まったのです。

大河ドラマ史に刻まれる名場面「おさらばえ」

そして、誰もが忘れられない瀬川の名シーンといえばこれ。「べらぼう」前半の壮大なクライマックス、白無垢の花嫁衣装に身を包んだ瀬川最後の花魁道中です。

夕暮れの吉原・仲ノ町通り。仲間の花魁や妓楼主たちなどが見惚れるなか、凛然とした微笑みを浮かべた瀬川の美しさは圧巻でしたね。

無音状態の中、外八文字で歩くときの、高下駄が地面を引きずるざ〜っという音と、きれいに残されていく軌跡。

映像、演出、音楽、演者すべてが一体になった、大河史上に刻まれる美しい名場面だったと思います。

大門に向かう瀬川を、笑みを浮かべすっくと立った蔦重が待っている。けれど、瀬川を迎えるのは蔦重ではないのが切ない。振り返り吉原に最後の挨拶をつげる瀬川「おさらばえ」

蔦重とは目も合わせずに、そのまま側を通り過ぎました。ここから先は自分の想いに蓋をして検校の妻として生きていく、そんな覚悟を決めた瀬川の表情。

けれども、“私たちは、魂と魂で結ばれたソウルメイト。今は別々の道を進んでいくけれど決してそのことは忘れない。”……そんな強い気持ちが伝わってきました。

あまりにもこの場面が感動的過ぎて「瀬川がいなくなった後、この先どうしたらいいのだ」とロスを嘆く声がたくさん起こったことを覚えています。

2ページ目 蔦重は苦界でたった一つ出会えた光と本音をぶつけた言葉

 

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