
遊女を身請けする相場は?鳥山検校(市原隼人)は何者?ほか…【大河べらぼう】2月23日放送の解説&振り返り
『吉原細見 籬の花』を出版し、約束どおり倍以上の売り上げを達成した蔦屋重三郎(横浜流星)。五代目瀬川(小芝風花)を一目見たさに、吉原遊郭は千客万来・大繁盛。しかしそれは遊女たちの苦しみと引き換えでした。
いっぽう重版事件の詮議から釈放された鱗形屋孫兵衛(片岡愛之助)は、黄表紙『金々先生栄花夢』によって華麗なカムバックを果たします。
やっぱり本屋は鱗形屋、吉原の引札屋なんかじゃない……鶴屋喜右衛門(風間俊介)は約束を反故にしてまで、蔦重の本屋仲間入りを拒絶したのです。
市中から追い払われた卑しい吉原者……あまりの侮辱に耐えかねた駿河屋市右衛門(高橋克実)が鶴屋を階段から投げ転がし、啖呵を切った第8回放送「逆襲の『金々先生』」でした。
それではNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」今週も気になるトピックを振り返ってまいりましょう!
吉原の「引札屋」って何?
劇中で鶴屋が蔦重を「あんなのは本屋じゃない。吉原の引札屋(ひきふだや)だ」と蔑んでいました。
引札とは現代でいうチラシ・ビラのこと。人目を引いて客を引くから引札と呼んだそうです(諸説あり)。
つまり蔦重の印刷物は、人目を引くばかりで中身がない低俗な引札に過ぎない……そんな「本屋」のマウント意識が見え透いていました。
まぁ書物問屋にしてみれば「地本問屋風情が何を気取ってやがる」と言ったところでしょうが……。
しかし低俗だろうが何だろうが、売れるものを作らなければ商売になりません。
地本問屋の皆様がどれほどご高尚かは存じませんが、書籍は売れてナンボです。要するに負け惜しみなのでした。