江戸時代の絵師・葛飾北斎は、「富嶽三十六景」を始めとした浮世絵の名作を数多く残していますが、版元に依頼されて描いたものは芸術作品だけにはとどまらず、櫛(くし)や煙管(きせる)の図案も手掛けていました。
櫛やキセルを葛飾北斎がデザインしたらこうなっちゃう「図案集 今様櫛きん雛形」無料公開
江戸時代の浮世絵師は、版元に絵の仕事を依頼され、依頼主の要望に沿った絵を描きあげるのが基本的な仕事の流れでした。依頼される仕事には書物の中に描く挿絵もあれば、お寺に依頼されて天井画や壁画を描く大きな仕…
これらの図案は”デザイナー北斎”の才能の高さを裏付ける貴重な資料となっていますが、このほど、北斎が思い描きながら原案で留まっていた装飾櫛が、現代の宝飾職人の技術を用いて世界で初めてシルバー製にて具現化されました。
この作品は、11月18日よりフランス・アルザス地方のミュールーズ美術館での、アルザス欧州日本学研究所 – CEEJAと国際北斎学会が共同主催する「北斎と富士-子供のための北斎展」内で、日本に先駆けて発表されるもので、甲府の宝飾職人界の第一人者二名が、北斎が残した数々のデザインの中から、幻の装飾櫛を現代に具現化されたもの。
波
極限まで突き詰めたワックス加工技術と金属加工技術により、北斎の描く波の特徴を繊細ながら大胆に表現しています。
赤富士
継承者が途絶えつつある薄肉彫りの技術を駆使したタガネでの打ち出しにより、赤富士の雄大さや立体感を表現しています。
北斎の思い描いたデザインを具現化するにあたり、国際北斎学会と一般社団法人甲府宝飾協会がそれぞれの知見を活かし製作。デザインの選定から完成まで約6か月もの期間を要したそうです。
今回の【波】【赤富士】は共に購入可能なものなのだそうで、価格はこちら。
【赤富士】 1,210,000円(税込)
【 波 】 1,430,000円(税込)
作品の購入や展示に興味のある方はぜひコンタクトをとってみてはいかが?