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気を着け、前へならえ! 学校で行われる号令による「集団行動」のルーツは幕末期にあった

気を着け、前へならえ! 学校で行われる号令による「集団行動」のルーツは幕末期にあった

運動会・体育大会で次のような号令をかけられたことはありませんか?

「休め、気をつけ。前へならえ、なおれ。右向け、右!」

まるで軍隊みたいだな…と思ったことはありませんか? 調べてみたら、まんま軍事訓練が元になっていました!

では、いつから学校で行うようになったのでしょうか。

学校で行われる号令にによる「集団行動」

小学校で施行されている『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説・体育編』に次のような記述があります。

「集団行動」から抜粋
体育の授業における運動領域の学習では、学級単位あるいは学級を幾つかに分けた小集団で行われることが多く、そこでの活動を円滑に行うには、児童が学級単位あるいは小集団で、秩序正しく、能率的に行動するために必要な基本的なものを身に付けておくことが大切である。


これを実現するため、文部科学省が出している「学校体育実技指導資料 第5集『体育(保健体育)における集団行動指導の手引(改訂版)』」に基づき、全国各地の学校で教えられているというのが現状です。

そもそものそもそもは、フランス軍がもたらした⁉

ではこの号令は、何が発祥なのでしょう。
ざっくりと説明すると、1867年(慶応3年)、幕末の動乱期。幕府は軍隊の近代化に向けフランスと関係を持ち、軍事顧問団を招聘します。

フランス軍事顧問団の伝習兵への訓練の模様を小泉清澄が「幕末伝習隊」に記しており、そこに「号令」によって隊列を組むということを初めて習った様子が書いてあります

調練はその日から始まった。(略)およそ従来の古来兵法とは似てもにつかぬ稚児の遊びのような調練をやらされた。これは練体法というものであり、言うなれば基礎体力作りである。また、集団が号令のもと同じ動作をおこなうこと自体に意味があると顧問団の面々は陸軍方に伝えた。号令により、反射的に体を動かせるように成ればなるほど、苛烈な戦況下 で伝習兵達は戦士として威力を発揮すること になるのだと。(略)フランス語の号令とは、attention(気をつけ)、salut(敬礼)、arrêter(止まれ)などの言葉であった。


そして、田邉良輔がフランスの歩兵隊練法の書を和訳します。

2ページ目 号令が書かれた最初の文書

 

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