江戸時代、日本画・浮世絵の題材として人気も高かった妖怪。妖怪を扱ったさまざまな作品が描かれましたが、妖怪絵巻の中でも質の高い作品として評価されているのが「百怪図巻(ひゃっかいずかん)」。
百怪図巻に描かれた妖怪は30体でどの作品も丁寧な仕事で質の高さがポイント。百怪図巻は江戸時代中期の画家、佐脇嵩之(さわき すうし)によって描かれた作品で、元文2年(1737年)に描かれたものとされています。
作品自体は室町時代の絵師である狩野元信(かのう もとのぶ)の作品を模写したものと考えられています。
30体はどれも奇々怪々な容姿をしていますが、どこか憎めないユーモラスな部分も持ち合わせているのも妖怪ならではのおもしろさ。
テイストが漫画チックなところも特徴ですよね。醜く恐ろしいようしながらどこか憎めない可愛らしさがあります。
妖怪ウォッチのキャラがこんなタッチならまず流行っていなかったことは確かです…。
他の妖怪絵巻(「化物づくし」「化物絵巻」「百鬼夜行絵巻」)とセットで百怪図巻がオールカラーで収録されたものがあります。
妖怪図巻