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戦国時代の武芸が祖先?世界が認めたエロティック・アート「緊縛」【前編】

武芸を祖先に持つエロティック・アート『緊縛』(世界が認めたカウンターカルチャー "Kinbaku"【前編】)

SMプレイの一種として認知されている「緊縛」。ほとんどのJapaaan読者にとっては「名前は知ってるけど実態のわからない、エッチな感じのする何か」といった存在ではないでしょうか。

しかし、緊縛の祖先が日本の武芸だと聞いたら、我が国の文化や歴史を愛する皆さまはどのような感想を持つでしょう?

あなたの知らない緊縛の世界

今回と次回、ドS文筆家コラムでは「世界が認めたカウンターカルチャー “Kinbaku”」をテーマに、2回に渡って知られざる緊縛の魅力についてお伝えします。

前編では「緊縛とは何か?」を概略するとともに、古代の原初的な縛りが五行説の影響を受けて武芸として成立したのち、逮捕術として体系化されていく過程を紹介します。

このコラムを通じて、緊縛が単なるポルノの一形態ではなく、室町から現在に至る長い歴史の中で発展してきたアート・文化であることを1人でも多くの方に知っていただければ幸いです。

「緊縛」とはどんなプレイか?

先月の記事で、「SMという言葉は日本発祥で、成立したのは昭和だ」と書きました。

実は「SM」は日本発祥の言葉だった?その誕生に深く関わった歴史上の出来事とは…?

ひと昔前と比べれば違和感なく日常でも使われるようになった「SM」という言葉。「SM」が日本独自の表現であることは案外知られていない気がいたしますが(英語圏では一般的に「BDSM」が使われます)…

「ゆるまないように硬く縛る」を意味する「緊縛」という言葉がSM的な責めの一種を示すようになったのもほぼ同時期で、一説には伝説の雑誌「奇譚クラブ」の影響があったといいます。

 

緊縛では、数本の麻縄を使って被虐者を拘束しますが、ただ動けなくすればよいのではなく、見た目の美しさも要求されます。また、ショーなどではモデルを縄で空中に吊るし上げる「吊り」と呼ばれるパフォーマンスが行われたりもします。

一般に、縛る側を「縛り手」、縛られる側を「受け手」と呼びます。縛り手の中でも特に高いスキルを持ち、職業としてこれを教えたり、ショーを行ったりする人は「緊縛師」や「縄師(なわし)」と呼ばれます。

悲しいことに、緊縛を含むSM一般について誤解をしている人の数は少なくありません。例えば、責める側と責められる側に序列がある(つまり、責め手の方が偉い)や、相手を一方的に痛めつけるリンチに等しい行為だ、などです。

確かに、あらゆるSMプレイは怪我や故障、時には命の危険につながるリスクをはらんでいます。しかし、だからこそSMには信頼関係が欠かせません。プレイの演出上そう見えないことがほとんどですが、実はSとMとは、安全にプレイを楽しむために対等な立場で協力し合っており、これは緊縛においても同じことなのです。

2ページ目 和歌・和装と「縛り」の意外な共通点とは?

 

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