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現代なら炎上必至!日本各地のお国柄をまとめた「六十六州人国記」が毒舌すぎる【東北&関東甲信越編】

現代なら炎上必至!日本各地のお国柄をまとめた「六十六州人国記」が毒舌すぎる【東北&関東甲信越編】

「神奈川県民って、こういうところあるよね」

よく県外の知人たちからそんなことを言われますが、いわゆる「お国柄」とか「県民性」と言ったものは、ご当地の人々に対するステレオタイプなイメージに大きく影響しています。

もちろん、神奈川県民だからと言って、みんながみんなそうではないものの、そういう傾向が少しはあるかも?……という事で、昔からそうした「お国柄」について、皆さん興味を持っていたようです。

そこで今回は、室町時代~戦国時代にかけて成立したとされるお国柄本『六十六州人国記(ろくじゅうろくしゅうじんこくき)』を紹介したいと思います。

『六十六州人国記』について

『六十六州人国記』は、元々『人国記』と呼ばれ、鎌倉時代の第5代執権・北条時頼(ほうじょう ときより)が出家後に全国を行脚、各地で見聞したお国柄についてまとめたものとされています。

六十六州とは日本の律令国で、現代の都道府県に代わる行政区分を指しますが、当時は北海道(蝦夷地)と沖縄県(琉球国)は日本国と見なされていなかったため、残念ながら言及されていません。

……が、以下に紹介する内容はかなり毒舌(というより誹謗中傷レベル)なものが多く、こんなんだったら紹介されない方がマシです。という性質上、恐らく室町時代から戦国時代にかけて生きていた匿名の作者が、

「これは北条時頼が書いたことにしよう」

と逃げを打った(言い訳を用意した)ものと考えられています。現代でも「自分じゃなくて、他の誰それが言っているのだ」として、自分の主観や本音を書くのはよくある話。

また、歴史的な人物の名前を出すことで、権威づけや信憑性を高める目的もあったのでしょう。つまり、北条時頼が全国を行脚したしたエピソードは広く知られ、人々に親しまれていたことが判ります。

さっそく紹介していきたいのですが、一度に六十六ヶ国全部だとさすがに長すぎるので、全体を三部に、そして現代の都道府県に分けて紹介していきます。

第一部:東北&関東甲信越(16都県)←今ここ!
第二部:中部&近畿(13府県)
第三部:中国&四国&九州(16県)

また、律令制度では五畿七道(ごきしちどう)と言って、京都を中心とした五か国(五畿)と、そこから全国へ散らばるように七道(東海道、東山道、北陸道、山陰道、山陽道、南海道、西海道)がのびていましたが、現代人になじみやすい地方(関東地方、九州地方など)に再区分しました。

それでは紹介していきましょう。皆さんの地元やゆかりの深い都道府県は、いったいどんな書かれ方をしているのでしょうか……?

※以降、長くなるため原文は割愛し(読み比べたい方は参考文献を参照)、ざっくりとした意訳と、それに対するコメントを紹介していきます。

※また、旧国境と現代の都府県境が必ずしも一致しない事があるため、都府県と旧国名の対応は概略で紹介しています。

2ページ目 青森県&岩手県&宮城県&福島県(陸奥国)

 

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