で、桃太郎の鬼って何をやらかして退治されることになったの?驚くべき新解釈も!
そもそも「鬼のした悪いこと」って、何?
『桃太郎』といえば、正義の味方・桃太郎に悪い鬼が退治されるという「勧善懲悪物語」の代表格と言うべきお話です。
しかし、ふとこんな風に思ったことはありませんか?「そもそも桃太郎の鬼って、いったい何をやらかしたから、退治されることになったの?」
確かに「鬼退治」されるからには、鬼の側に悪事を重ねてきた事実があるはずです。それがなければ、桃太郎は正義の味方どころか、ただの略奪者になってしまいます。
もしかしたら、最後に桃太郎が鬼から取り上げた「宝物」が、実は村の人々から取り上げたものだったなどの理由があったのでしょうか?
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鬼のした「悪事」については語られていなかった!
鬼がいったい何をしたから征伐されることになったのかは「分からない」が答えです。
近年出版されている『桃太郎』のお話では、鬼が
・畑を荒らしたり、宝物を奪ったりしていた
・村の娘や子供をさらったり、作物を奪ったりしていた
などの説明がされていることもありますが、「和平交渉の余地もなく、いきなり鬼ヶ島へ乗り込んで退治しなければならないほどの理由」は確認できません。
「鬼は、たとえば性犯罪のような、子供向けの絵本には書けない『口にするのもおぞましい悪事』を繰り返していたのではないか?」
と考えたくもなりますが、どうもそういうことではなさそうです。
実は
「鬼が悪いことをしたから、その鬼を桃太郎が退治しに行った」
という設定は明治時代以降に付け足されたもので、それ以前に出版された『桃太郎』ではなんと
「桃太郎は、宝物欲しさに鬼ヶ島へ行った」
ということになっていたのです。
つまり鬼のはたらいた悪事の内容どころか「そもそも鬼は、『鬼だから悪い』」と一方的に決めつけられ、そこに理由など存在しなかったということです。
さすがにこのような理不尽な設定では、絵本を読んでもらっている子供に親が「ねえ、なんで鬼は悪いの?なんで退治されちゃうの?」と質問責めにされ、困ってしまうでしょう。
そこで時代とともに、子供にもわかる「鬼の悪事の内容」が付け加えられたのでしょう。