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日本人と「犬」の関係。江戸時代には犬専用の飼育書「犬狗養畜伝」や大規模な犬小屋も登場

日本人と「犬」の関係。江戸時代には犬専用の飼育書「犬狗養畜伝」や大規模な犬小屋も登場

ペットとして高い人気を誇る「犬」

人類と犬の付き合いは古く、古代メソポタミア文明やギリシア文明では、発掘された彫刻や出土品に犬が描かれている。では日本人と犬の関係性はどうだろう。今回は、日本人と犬の歴史について見ていきたい。

人と「犬」は縄文時代からの付き合い

日本では、縄文時代の遺跡から埋葬された犬の骨が出土している。埋葬の痕跡から、当時の犬はシカやイノシシを捉えるための狩猟犬としての役割や、食用として屠殺されていた可能性が指摘されている。

犬が純粋にペットとして人間と生活を共にするようになった時期は定かでないが、平安時代の資料には、ペットとしての犬の存在を証明するような記載が散見できる。

室町時代になると外国船によって海外の犬種が輸入され、時の大名や貴族たちに親しまれるようになったようだ。

「犬」の需要が高まった江戸期

それまで上流階級の娯楽であった犬の飼育は、江戸時代になり社会情勢が安定してきたことで庶民の間にも広がりを見せことになる。徳川五代将軍・徳川綱吉の治世には、中野に「中野御用御屋敷」と呼ばれる犬小屋が設置された。

16万坪という広大な敷地を犬のために開放し、幕府が管理したという。それは犬たちを管理する専門の役職を作る徹底ぶりで、飼い犬だけではなく、野犬や捨て犬も収容したとされている。

 

2ページ目 江戸時代にの犬の飼育書「犬狗養畜伝」

 

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