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江戸時代の妖怪「牛女」の目撃情報が現在でも噂されるようになった経緯とは?

江戸時代の妖怪「牛女」の目撃情報が現在でも噂されるようになった経緯とは?

数多くの妖怪がうごめく日本。その中でも「件(くだん)」と呼ばれる妖怪は、体は牛、頭は人間という姿をしています。そして件と似ている「牛女(うしおんな)」という存在が、第二次世界大戦中から兵庫県で噂されるようになりました。

今回は、この「牛女」にまつわる噂の経緯についてご紹介します。

件と牛女の違い

元々「件」は江戸時代の文献に登場する妖怪です。凶事が起こる前に牛から生まれ、人の言葉で天災や戦争などに関する予言を残して、数日のうちに死んでしまうと言われています。

この件は文献に伝わるただの妖怪ではありません。現代でも、震災が起こる前に「件が目撃された」という情報があるほど、不気味な存在感を放っています。

そして件と似ている「牛女」は、兵庫県西宮市を中心に噂されるようになった妖怪です。

両者は「牛」という共通点があるものの、件の「頭は人間・体は牛」という姿に対して、牛女は逆の「頭は牛・体は人間」という違いがあります。

また、牛女は人間から生まれて着物を着ているという情報もあるので、牛から生まれる件とは違う存在なのでしょうか。

そこで興味深い体験談がありました。漫画家・小林薫さんの著書「どすこいスピリチュアル(2)」の中に、「赤い着物を着た牛頭の人が予言をした」という体験談が掲載されているのです。

この話に登場する妖怪を牛女だとすると、両者共に予言をするという共通点がありますね。違う存在ではあるけれど、限りなく近い繋がりがあるのかもしれません。

2ページ目 牛女の噂が始まった経緯

 

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