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平安時代には既に原型が。ドラマ「わろてんか」で注目、漫才の歴史 [中世~近世編]

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存続の危機!?時代の変化の中で万歳は…

「みんな大好き、正月の万歳」状態が長く続きました。

ところが明治維新によって、万歳を取り巻く環境も変化していくことになります。近代化を推し進める明治新政府は、祝福芸を含む民間信仰を否定したのです。万歳も、そのひとつに数えられました。

とはいえ、ここで万歳が消えることはありませんでした。民家を訪ねる門付け万歳はしぶとく残ります。

昭和の初めまで東京で見られたと言いますし、終戦後も地方では1970年代頃まで残り続けました。しかしそれも姿を消していきます。高度経済成長期を経て、日本人の生活が大きく変化したことが影響したのでしょう。

それでもなお、万歳は消滅しません。万歳が盛んだった地域では、現在も伝統芸能や民俗芸能として保存されているのです。平安時代から現代まで、およそ900年。万歳は実に息の長い芸能なのです。

参考文献:
小沢昭一『ものがたり 芸能と社会』(白水社)
小沢昭一・矢野誠一 『物語で学ぶ日本の伝統芸能(五)寄席芸・大道芸』(くもん出版)
三國連太郎・沖浦和光『「芸能と差別」の深層』(ちくま文庫)
世界人権問題研究センター編『散所・声聞師・舞々の研究』(思文閣出版)

画像出典:Wikipedia

 

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