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色恋沙汰に金銭トラブル…実は「東海道中膝栗毛」の原作はなかなかのカオスっぷり

色恋沙汰に金銭トラブル…実は「東海道中膝栗毛」の原作はなかなかのカオスっぷり

スピード結婚&離婚…これが旅立ちの発端だった!

こうしてお壺を妻として迎えた弥次さんでしたが、その直後に喜多八が弥次郎兵衛宅を訪問した時にさらなる事実が発覚します。お壺と言うのが何と喜多さんの愛人であり、子供が出来たのが店にばれるとまずいので彼女を他所へ嫁がせるために15両の縁談を喜多さんはもうけていたのでした。

それに激怒した弥次さんが喜多さんと取っ組み合いの喧嘩をする中、お壺は産気付いて卒倒し、亡くなってしまいました。古女房と離縁し、間もなくして若妻も死去と言う悲惨な状況下に、更なる追い打ちがかけられます。

喜多八が仕えていた老主人が死んだのですが、奥方からは不埒な振る舞いと魂胆を見抜かれて、とうとう喜多さんはクビになってしまったのです。侍に化けた知人達やお壺の父などに参列して貰ってお壺を弔った喜多さんは、弥次さんとの二人暮らしに戻ってしまったのでした。こうした災難が続いたのを嘆いた弥次・喜多両名は、厄払いとしてお伊勢参りを思い立ちます。

如何でしたか?一般に流布している弥次喜多コンビがコミカルながらも颯爽としているのに対し、原作とりわけ発端では色恋沙汰や金銭トラブルで事件ばかり起こしています。現実にいたらどうしようもない人々ですが、一方で人間臭くさえあります。

そんな彼らの素性と旅に出るきっかけを知ると、あの滑稽なストーリーにも深みが出てくるため、膝栗毛に興味のある方は発端から読み進めることをおススメします。

 

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