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遊女も喜ぶ名物「最中の月」が人気、江戸吉原スイーツの名店「竹村伊勢」

遊女も喜ぶ名物「最中の月」が人気、江戸吉原スイーツの名店「竹村伊勢」

あんなことにも使えちゃう?甘くて便利な巻き煎餅

女性にモテたい粋な遊び人にぴったりの『最中の月』以外にも、竹村伊勢には如何にも吉原らしい逸品がありました。それが、巻き煎餅です。これは小麦粉で出来た生地を巻いて焼き上げた素朴な物ですが、筒のような形状をしていました。つまり、空洞の部分を管代わりにも使えたのです。

こうしたお菓子を使って吉原ですることと言えば、やはり色恋にまつわることですね。張見世の格子から遊女と客人が巻き煎餅を使ってお茶を口移しにする、言わば間接キスが行われていたのです。そうした遊びが出来るのは、間夫と呼ばれる本気で惚れ合った仲の男だったのだから、何ともアツい話です。

ただし、そうした『火遊び』が過ぎてしまった旦那様や若旦那には、格子は格子でも座敷牢に入れられるお仕置きが課せられてしまい、『牢見舞 巻せんべいや かんろ梅』という状態でスイーツを味わいながら、吉原の余韻に浸る羽目になった人もいたようです。

 

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