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江戸の人々の探究心たるや!貴重な本草書から江戸時代の博物学を紹介「江戸の博物学」展が開催

江戸の人々の探究心たるや!貴重な本草書から江戸時代の博物学を紹介「江戸の博物学」展が開催

自然界に存在するものについての学問「博物学」は江戸時代にも、熱心に研究されていたようです。東京・世田谷にある静嘉堂文庫美術館で「江戸の博物学〜もっと知りたい!自然の不思議〜」が開催されます。

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平安時代に中国から日本に伝わってきたという本草学(ほんぞうがく)。本草学とは中国古来の薬物学で、くすりの本となる草についての研究だったので「本草」と呼ばれたそうです。日本では「本草綱目」という明の書物をもとに、薬や植物の研究がスタート。1700年代半ば頃からは、西洋の博物学からの影響も受けるようになり、研究の対象は植物だけでなく動物や鉱物、天体学にも及び、博物学としての研究が進みました。

展覧会では日本の博物学の元になった本草書の歴史をたどりながら、江戸時代の人々に西洋博物学がどのように受け入れられてきたのかを紹介していきます。

見どころのひとつは日本初の蘭和大辞典「波留麻和解(はるまわげ)」。木活字で摺られた見出し語は約60,000語。2,3年かけて約30部が刊行されたそうです。訳語は毛筆で右から左へと記載されています。

『波留麻和解』稲村三伯等撰 寛政末頃(1800頃)刊(木活字)

『波留麻和解』稲村三伯等撰 寛政末頃(1800頃)刊(木活字)

本展では、日本で初めてエッチング(銅版画)を完成させた司馬江漢の貴重な作品集「天球全図」も展示。司馬江漢は江戸時代後期の蘭学者で、平賀源内などとも交流があったそうです。

『天球全図』の内、「太陽真形」司馬江漢撰 寛政8年(1796)頃刊(銅版彩色)

『天球全図』の内、「太陽真形」司馬江漢撰
寛政8年(1796)頃刊(銅版彩色)

江戸時代後期の本草学者、岩崎灌園が20余年を費やし、まとめた2000種以上植物をまとめた植物図鑑「本草図譜」、高松藩家老木村黙老が手がけた幻の魚譜「鱗鏡」もあわせて公開されます。

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『鱗鏡』木村黙老撰 嘉永6年(1853)写

本草学が最も盛んだった江戸時代の人々の“自然への探究心”が感じられる同展。写真よりも伝わってくるような、肉筆の図鑑の迫力は必見です。

「江戸の博物学〜もっと知りたい!自然の不思議〜」
会期:2-16年6月25日(土)〜8月7日(日)
休館日:毎週月曜日(7月18日は開館)、7月19日(火)
開催時間:10:00〜16:30
入館料:一般¥1,000 大高生¥700 中学生以下無料
会場:静嘉堂文庫美術館

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