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最後の浮世絵師「小林清親」は光と影を操る"光線画"の使い手

最後の浮世絵師「小林清親」は光と影を操る"光線画"の使い手

「最後の浮世絵師」という言葉は明治時代に活躍した浮世絵師に対してしばしば使われることがあります。月岡芳年(つきおかよしとし)や河鍋暁斎(かわなべきょうさい)に対しても使われてたりします。

今回紹介する浮世絵師 小林清親(こばやしきよちか)も最後の浮世絵師と呼ばれる絵師の一人。小林清親は弘化4年(1847年)生まれの浮世絵師で、明治時代に活躍した浮世絵師。

小林清親は東京名所図と総称される95枚からなるシリーズを描いたり、「武蔵百景之内」「東京名勝図会」などの風景画を描くなどしたことから、風景画の傑作を数多く残した歌川広重になぞらえて「明治の(歌川)広重」と呼ばれることもあります。

小林清親は光線画という技法を始めた絵師で、「明治の広重」とまで称されるのにはそういった風景画の技法のパイオニアとしての顔もあったからなのでしょう。

光線画とは光と影を効果的に用いた技法で、光の揺らぎ、色彩の変化を細やかに写実的に捉えています。合理的な観察によって描かれる光と影は西洋画の影響を感じさせてくれます。空を広く描き、そこに夕焼けや朝焼け、雲や月の光影を巧みに大胆に表現しているのも特徴でしょうか。

筆者個人としては小林清親が光線画の技法を用いて描いた夜の風景画がとても好み。光と影を大胆に操る作品が多くどれも素敵なんです。

光線画の技法はその後他の絵師にも受け継がれることとなり、川瀬巴水(かわせ はすい)の作品などもその影響を受けているのではないでしょうか?

以前Japaaanで紹介した高橋松亭(たかはし しょうてい)のシルエットを効果的に使った作品群ももしかすると光線画の技法を受け継いでいるのかもしれません。

夜が夜以上に夜っぽい!シルエットを効果的に使った明治の浮世絵師「高橋松亭」の作品がステキ

 

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